ロシアでは2009年から、三井物産と三菱商事が参加する「サハリン2」のLNGプロジェクトが始動。伊藤忠商事も国営ガス大手とウラジオストクでLNG基地を建設し、18~20年ごろから日本などに輸出する計画だ。17日には丸紅が国営ロスネフチとLNG基地建設で合意しており、エネルギー協力に厚みが増している。ただ、日本はあくまで「エネルギーの安価な調達が重要」(茂木敏充経済産業相)との立場だ。将来的な米国からのシェールガス輸入に道筋がつけば、他国との有力な交渉カードになるため、輸入量や価格などの詳細条件は米政府の輸出許可後に交渉を本格化させる。一方、5月1日からの首相の中東訪問には、経団連の米倉弘昌会長(住友化学会長)、渡文明審議員会議長(JXホールディングス相談役)らが同行し、サウジアラビアのアブドラ国王らとの首脳会談に同席する方向で調整が進んでいる。米倉会長は中東訪問について「資源の調達国であると同時に、今後整備が進むインフラ関係(での協力)などで非常に重要な地域だ」と語り、政経一体外交で強いメッセージを送る意義を強調する。トルコでは中国、韓国などと受注を競っていた原発建設について、日本政府が押す三菱重工業と仏アレバの企業連合が優先交渉権を獲得することで政府間合意が成立する見通し。同国は23年までに3カ所に原発を新設する計画で、今回の受注は日本から1兆円規模の輸出につながる可能性がある。
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