ブルーレイディスク(BD)レコーダーの価格下落が続いている。地上デジタル放送への移行による駆け込み需要の反動減によるもので、「回復の兆しが出てきたテレビよりも深刻」(業界関係者)な状態だ。各メーカーはスマートフォン(高機能携帯電話)との連携などの新機能を搭載することなどで、需要喚起に取り組んでいる。BCNによると、全国の家電量販店2448店舗でのBDレコーダーの1月の平均単価は3万8600円。10年1月の6万2000円から4割近く下落した。同社の森英二アナリストは「年末商戦でも、売れ筋は型落ちの商品だった。平均単価は今後さらに下がる可能性もある」と予測する。こうした中、各社が重視するのは「休みの日にまとめてテレビ番組を見たい」というニーズだ。この結果、大容量化や検索機能の使いやすさに的を絞った製品が増えている。パナソニックは10日、BDレコーダー「DIGA(ディーガ)」シリーズから、6つのチャンネルを最大16日分まるごと録画できる新製品(想定価格約14万円)を発売。好みのジャンルや俳優を登録しておけば、見たい番組を簡単に呼び出せるという。東芝はハードディスクを4台接続すれば、最大16テラバイトまで録画できる機能やアイコンで表示される分かりやすいスタートメニューが好評という。他のデジタル機器との連携に力を入れるのは、ソニーとシャープだ。シャープの一押しは、専用ソフトをインストールしたスマホに話しかけるだけで、目的の番組を検索・予約したり、再生や停止などの操作ができる機能だ。ソニーは録画した番組をスマホやタブレット端末で、持ち出せる機能を強化。1時間番組の場合、2分30秒で転送できるという。富士キメラ総研によると、BDレコーダーの国内市場は、11年に前年比30%増の650万台に拡大したが、16年には350万台まで縮小する見通し。「一部は外付けハードディスクに需要が流れる」ためで、新たな付加価値を提案できねば、市場縮小に歯止めをかけられそうもない。
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