昨年11月以降の株高を受け、SMBC日興証券が2014年春入社の新卒採用人数を、前年並みだった当初計画から2~3割程度増やす方向で調整していることが18日、分かった。大和証券グループ本社も13年春入社と比べて約1割増やす方針。株式や投資信託の売買が活発化する中、両社とも個人向け営業部門を中心に強化する。証券業界ではバブル崩壊後の相場低迷やインターネット取引が増えていることを背景に人員削減が進み、昨年末の証券業界の従業員数は36年ぶりの低水準だったが、反転の兆しが出てきた。日興は当初、14年入社は前年並みの約300人の採用を計画していたが、「株式市況の改善」(同社)を受けて、3月の応募受付を前に400人近くまで採用枠を広げることを検討。主に全国109支店で個人投資家や地方の未上場企業に対して営業する部門を増強し、高まる投資ニーズの取り込みを加速する。また、大和は13年春入社が約500人の予定で14年春は約550人規模に引き上げる。「株式や投資信託などの売買も活性化しており、リテール部門を一層強化していく」(同社)という。最大手の野村ホールディングスは増減を含めて検討中としている。新卒採用以外でも、ネット証券大手のカブドットコム証券は個人投資家による株式売買の増加を受けてコールセンターを新設し、18日に稼働を開始し、要員を増強する動きが出ている。日本証券業協会によると、12年末の証券会社の従業員数(役員含む)は、前年末比約6.5%減の8万4802人と4年連続で減少し、1976年以来の低水準だった。
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