富士山の世界文化遺産登録の可否が6月に決まるのを前に、山梨、静岡両県で富士登山者から入山料を徴収する計画が浮上している。夏山シーズンには約30万人が訪れ、登山道に列ができる混雑ぶりだが、登録が決まれば、さらに観光客が増えて環境保全の財源が必要になるとの理由からだ。しかし、地元の合意形成や金額設定、徴収方法など課題は山積している。静岡県は8日、2014年の夏山シーズンから入山料導入を目指す方針を発表し、翌9日には、山梨県の横内正明知事が賛同した。富士山の入山料を巡っては、昨年1月、山梨県の担当者が静岡側に協議を申し入れ、今年1月、静岡県の川勝平太知事が検討の方針を表明した。環境省によると、12年夏山シーズンの富士登山者数は、調査を始めた05年以降2番目に多い31万8565人。05年は約20万人だったが、08年以降、30万人前後で推移している。地元の山梨県富士吉田市富士山課は「環境保全と安全管理は限界に近い」と悲鳴を上げる。同市は毎年7~10月、清掃業者に60万円の委託料を支払い、5合目でごみ収集を実施。昨年は430キロ・グラムが集まった。マナーの改善でごみの量は年々減少傾向だが、同課は「外国人観光客らの増加で増える可能性がある」と警戒する。吉田口5合目では昨夏、登録を見込み、老朽化して悪臭を放つトイレを改修。山梨県などが5億5000万円をかけ、1日の利用可能人数を5倍の1万5000人に増やした。また、日の出前には山頂付近の登山道が渋滞し、転倒者が出れば多くの登山者を巻き込んだ事故に発展しかねない状態。このため入山料には登山者数を抑制する狙いもあるとみられる。
ジパング倶楽部 途中下車
ジパング倶楽部 ホテルメトロポリタン
ジパング倶楽部 身体障害者
西日本旅客鉄道株式会社 ジパング倶楽部
ジパング倶楽部 レンタカー