J2は21日、各地で第10節10試合が行われたが、長野県松本市の松本平広域公園総合球技場で予定されていた松本―東京Vが積雪のため中止となった。台風や地震による中止は過去にも例があるが「積雪の影響で試合開催困難」という理由はJ1、J2含めて初のケース。代替開催日は未定となっているが、季節外れの大雪で東京Vは約200キロの遠征が無駄足となった。異常気象の余波を受けたのは、東京Vだった。東京から200キロ離れた松本市での公式戦は、予期せぬ大雪の影響でまさかの中止。20日夜にバス移動で松本市入りしていたチームは決定を受け、東京へUターンとなった。この日午前に現地を出発し、午後3時からはクラブハウスで練習。チーム関係者は「選手たちは仕方ないとサバサバしています」と話したが、遠征の移動費や宿泊費などはJリーグが補てんできるか協議するという。季節外れの大雪は東日本を襲い、長野県でも20日夕方に雨から雪へと変わり、21日午前9時頃まで降り続いた。鉄道などの交通機関で運休が発生し、高速道路も通行止め。ホームの松本側とマッチコミッショナー、スタジアムの施設関係者が協議した結果、午前10時15分に試合中止が発表された。松本平広域公園総合球技場は構造上、バックスタンド側の屋根から雪が落ちると観客に直接かかる危険性がある。クラブの公式サイトでは「開催時の危険およびお客様の来場、帰路の交通混乱を勘案しての決定」と理由を説明。客席や通路にもかなりの雪が積もり、安全が確保できる状況ではないと判断した。長野地方気象台によると、松本市内の積雪は4センチ。4月21日に同市で1センチ以上の積雪が確認されるのは観測史上最も遅い記録だという。今年1月には全国高校サッカー選手権決勝(東京・国立競技場)が大雪のため5日後に延期。4月の降雪による開催中止は異例だが、この日はJFLの福島ユナイテッド―ホンダロック(福島・郡山市営西部サッカー場)、なでしこチャレンジリーグの常盤木学園―愛媛(宮城県サッカー場)など、中止が相次いだ。サッカー界にとってはまさに受難の一日となった。
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